アニマルフォトグラファーのsim(@ssiR01)です。
みなさんは野鳥撮影の時のカメラの設定をどうしてますか?
せっかく苦労して野鳥の写真を撮っても、部屋のパソコンで見てみたら画質の悪さにガッカリしたことはありませんか?
例えば、
などなど…
では、画質の良い野鳥写真を撮るにはどうすればいいのか?
その答えの一つが、『カメラのISO感度を低く設定する』ことです。
カメラのISO感度を100と800で撮影したヤマセミ写真です。
どちらが鮮明で高画質かは一目瞭然ですよね。
ISO100のヤマセミは羽毛の階調も豊かに表現できているけど、ISO800のヤマセミはなんだかノッペリして、画像全体にザラザラの粒子が目立っています。
…ということで、この記事では、僕が高画質な野鳥写真を撮るためにしている『ISO感度を下げるためのカメラ設定の方法』を紹介します。
ISO感度を下げるためのカメラの設定
ISO感度を低くしたいなら、「最初からISO100に固定しておけばいいんじゃないの?」って思うかもしれませんが、そんなに単純ではありません。
では、僕がISO感度のカメラ設定をどうしているかというと、
マニュアル露出設定(ダイヤルMモード)にした上で、『ISOオート』に設定しています。
つまり、「ISOオート」の状態で、他の設定値(シャッタースピード、露出補正、f値)を調整することで、ISO感度を撮影時のベストな設定値に追い込んでいく方法で撮影しています。
具体的には下のように撮影時に設定値を調整してISO感度を限界まで下げるイメージです。
- 露出をマイナス側に補正する
- シャッタースピードを落とす
- f値を小さくする
撮影時間帯が早朝ということもあって、f値はたいてい開放(最低値)で撮っている。
「野鳥との距離」と「ISO感度」と「画質」の関係
被写体の野鳥との距離によっても、解像度という点で画質が違ってきます。
どういことかというと、野鳥との距離が近いほどISO感度が高くても解像します。
反対に遠ければ、ISO感度を下げても解像しにくくなるので、その辺りを頭に入れながら撮影すると高画質な野鳥写真が撮れます。
野鳥との距離が近ければISO感度が高くても解像する
なお、野鳥との距離が5〜6m以内の至近距離での撮影の場合は、ISO感度が多少高くなっても羽毛まで解像します。
極端な話、ISO感度10000でも羽毛まで解像するときもあります。
ひとつ作例を載せておきます。
下のヒガラくんはISO10000で撮影しましたが、背景ノイズが多少目立つものの羽毛まで解像しています。
ISO10000で上の作例くらい解像するので、至近距離でのISO1000以下なら十分許容範囲です。
ひとつ作例を載せておくと、下のヒヨドリくんはISO1000で撮影しましたが、かなり高画質に撮れました。
遠くの野鳥を高画質に撮るならISO感度を下げないといけない
反対に遠くの野鳥はISO感度を下げないと、羽毛の質感まで表現することはできません。
たとえば、下の作例のようにISO800でも遠くの暗い場所にいる鳥は残念な画質にしかなりません。
たいていは明るくなるまで待ってから撮影するようにしているけどね。
ちなみに、ヤマセミのように撮影距離が20m以上離れているときは、ISO感度は100〜200で撮影するようにしています。
ISO100〜125まで落とせれば、多少暗くても下の作例くらいには解像させることができますよ。
だけど、近くの被写体に限って言えば、解像具合と機材性能はあまり関係ないから、ISO感度を下げれば高画質に撮れることは間違いないよ。
高画質のために許容できるISO感度とは
実は、許容できるISO感度は、人によって違います。
その人が許容できるISO感度は、次の要因で大きく違ってくるからです。
- 写真の用途:SNS投稿用か?フォトコン用か?個展用か?
- 機材性能:高感度撮影に強い機材を使っているか?
だけど、撮影現場で会ったプロの写真家さんはISO400未満が許容範囲だって言ってた。
結論としては、一般人にとって、高画質写真のためのISO感度は「撮影者本人がどの程度までノイズを許容できるか」で判断していいはずです。
本人が高画質だと感じていれば、それで十分楽しめるよ。
ただし、上達するにつれて目が肥えてくるから、高画質のハードルがどんどん上がっていくけどね。
まとめ
以上、野鳥を高画質に撮影するための僕のISO感度のカメラ設定について紹介しました。
まとめると、下のようになります。
- マニュアル露出(M)モードでISOオート設定
- ISO感度は「露出」と「シャッタースピード」の設定で下げる
- 近くの鳥はISO感度が高くても解像するのでISO1000でも許容範囲
- 遠くの鳥はISO100〜200で撮る
では
撮影機材
参考までに、僕の撮影機材も紹介しておきます。
僕は次の3点セットで撮影しています。
- カメラボディ:SONY α7R3
- 超望遠レンズ:SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
- 1.4xテレコン:SONY SEL14TC
高画素フルサイズセンサーのカメラボディに、400mm相当の超望遠レンズ、1.4xテレコンのセットです。さらに全画素超解像ズーム(デジタルズーム)で2倍の画角にしているので、1120mm相当の焦点距離で撮影しています。
「ピントは合っているんだけど、ザラザラした粒子が写真全体に出ているよ」
「色がイマイチ出てないんですけどぉ〜」
「なんか塗り絵みたい…」