sim(@ssiR01)です。
僕は移住するにあたって、全国地方都市からいくつかの候補地を絞って検討していました。
そのときに重視していたのは、賃貸住宅の家賃の安さと地下鉄・空港の利便性です。
- 『家賃』は生活費の中でもっとも大きな固定費なので、これを低く抑えることができればば可処分所得が多くなり、その分リッチな生活ができます。
- 『地下鉄の利便性』は、生活の利便性に直結するし、自家用車を持たずに済めば固定費が大幅に減ります。
- 『空港の利便性』は、定期的な実家への帰省、国内、海外旅行の利便性や費用に直結します。
このような理由から候補を札幌と福岡に絞り込み、最終的には土地勘があり、実家へのアクセスがいい札幌に移住しました。
では、札幌に住むことで得られる10のメリットを書いていきます。
札幌のメリット1.人が親切で温かく、そして適度な距離感が心地よい
引越し手続きで、役所関係、クリーニング店、スーパー、スポーツ用品店など一通りに回った印象ですが、「札幌市民は移住者に対しても親切で温かいなぁ」という印象を受けました。
これは以前、札幌市民だったころに受けた印象とも同じです。土地柄なんでしょうかね。まあ、そうじゃない人もいるでしょうけど、概ね好印象です。
役所関係やお店の対応も親切丁寧で、行き届いています。
一方、同じ北海道の中でも札幌以外の地方都市や、もっと田舎に行くと「なんか閉鎖的じゃない?」「サービス悪いよね?」「冷たくない?」みたいな印象を受けることが多々あるから不思議です。
そこでも、いったんに周りの同調圧力に迎合して中に入ってしまえば、それなりに親切な対応が期待できます。
しかし、地方独特のローカルルールに馴染めないと疎外感を味わうこともありました。全部とはいいませんが、地方には排他的な傾向があることは事実です。
その辺の疎外感や過度の同調圧力は札幌ではまだ感じたことがありません。人と人との距離感が適度に良いのでしょう。
これは会社でもプライベートでも同じでした。あくまでボクの経験談ですけど。
札幌のメリット2.水道水が美味しい
ヒトの体の60%は水でできているので、水が美味しいかどうかはとても大切なことですよね。
…で、札幌の水道水は、札幌市の水道局が宣伝しているとおり、ふつうに美味しいです。
ただし、ホテルや高層階の集合住宅では、水道ダイレクトではなくて貯水槽にいったん貯めてから蛇口に出しているので、そういうところの水は直接飲まない方が賢明でしょうね。
僕は高層の集合住宅に住んでいるので、水道の蛇口に浄水器を取り付けています。維持費は月600円くらいでリーズナブルです。
ちなみに、「さっぽろの水」はペットボトルでも販売されてます。500ml・24本入りで1480円です。一本あたり約62円です。
追記:2016年12月の時点で「さっぽろの水」の販売は終了しています。
出典:札幌市水道局
札幌のメリット3.大きな公園が徒歩圏内にある
よく整備された大きめの公園がいくつもあります。これらの公園は、ちょっと散策したり、ベンチで休憩したり、あるいはランニングするがとても気持ちいいです。
地下鉄沿線から徒歩圏内にある大きめな公園だけでも、大通り公園、円山公園、中島公園、真駒内公園、月寒公園、宮岡公園などがありますからね。そして、北海道大学敷地内は観光地としも有名ですが、地元の人もよく歩いてます。市内の公園の詳細はは札幌市の公園マップを御覧ください。
そして、これらの公園の中には、野鳥やエゾリスなどの野生生物が生息しているところも多いです。
下の写真は僕が札幌市内の公園で撮影したものです。
これらが徒歩圏内にあって、気軽に利用できるのは札幌に住む大きなメリットですね。詳しくは下の記事をご覧ください。
住宅街の町並みもよく整備されてます。僕は札幌の中心街から少し離れたところに住んでいるのですが、街路樹や花壇や公園が適度に配置されていて、気持よく散歩やランニングができてますよ。
大通り公園
札幌で一番有名な公園ですね。地下鉄大通り駅直結。札幌中心街でのショッピングの途中で一息つくのにちょうどいいですよ。噴水があるので夏は涼めますし、ベンチもたくさんあります。夏はビアガーデン、冬は札幌雪まつりの会場になります。
円山公園
地下鉄東西線・円山公園駅直近。花見の名所の一つです。桜の季節はココで宴会する方が多いですね。僕が以前に住んでいたときには会社の花見はココでした。秋には紅葉が綺麗ですよ。
中島公園
地下鉄南北線・中島公園駅直結。まるで庭園のような美しさです。そして冬の積雪の中でもランニング可能です。
これに対して、他の北海道の市町村だと、公園や市街地の緑化状況は整備が行き届いてなかったり、そもそも緑化面積が少なかったりするんですよね。予算の問題もあるのでしょうけど、見た目が荒んでいると気持ちの良いものではありません。あと、いい公園があったとしても、公共交通機関でのアクセスが悪いケースが多々あります。田舎に行けば行くほどクルマ社会になるので仕方ないのでしょうが…
メッリト4.公共の交通機関が発達していて車が必要ない
地下鉄と路面電車、バス、JRと公共の交通機関が他の北海道市町村よりも発達しているので、クルマが無くてもまったく困らないです。
便利なのはやはり地下鉄
地下鉄は南北線、東西線、東豊(とうほう)線と3本あって、この沿線に住むと生活の利便性がものすごくいいですよ。
地下鉄の初乗りは200円です。乗車料金はザックリですが、区をまたぐごとに乗車料金がアップして最大370円。同じ区内でも移動距離によって料金がアップしますのでご注意を。例えば北区では札幌駅から北24条駅までが200円で乗れます。
札幌駅と大通り駅の区間は地下道が整備されているので、地元では地下鉄に乗らないで歩く人が多いです。僕もこの区間はもっぱら徒歩です。
ですので、地下鉄料金を安く抑えたいのであれば、住居は札幌駅あるいは大通り駅まで200円で行ける区間に住むのがオススメですね。
出典:札幌市交通局
札幌駅前通地下歩行空間(チカホ):札幌駅から地下鉄大通駅まで、徒歩15分くらい。途中にカフェもあります。
札幌地下街・ポールタウンとオーロラタウン:ポールタウンは地下鉄南北線大通り駅からすすきの駅まで、オーロラタウンは東西線大通り駅からバスセンター前駅まで通じています。狸小路もポールタウンから直結です。こちらはお店がびっしりですので歩いていて退屈しないです。
空の玄関・新千歳空港までJR快速で40分
新千歳空港へのアクセスも札幌駅からJR(快速エアポート:片道1040円)で約40分で着きます。空港からも安い飛行機がたくさん飛んでいます。
LCCとしては、国内便としてはピーチ、バニラエア、ジェットスタージャパン、スカイマークが就航していますよ。LCCの新千歳ー成田間の航空料金は安いときで片道約5000円。国際便もアジア中心ですが、下の路線図のようにそこそこ就航してます。
ですので、移動の拠点にするには最高の立地だと思います。
下の図は新千歳空港で就航している航空機の国内線と国際線の空港路線図です。
札幌は北海道内の地方都市への公共交通のアクセスがよい
JRや都市間バスの交通網は札幌を中心につくられています。札幌がいわゆる北海道内の交通のハブ都市になっているからです。
そのため、札幌から各地方都市への交通の便はいいのですが、札幌の他の地方都市間の公共交通機関での移動は絶望的に不便です。
以下、ザックリですが、北海道内のJRの路線図です。
出典:JR北海道
下の写真は札幌駅構内の様子です。
クルマは必要か?
僕は会社勤めを辞めてしまったので特にそう感じるのかもしれませんが、通勤でクルマが必要なケースを除けば、札幌ではクルマなしでふつうに暮らしていけます。
札幌では地下鉄と路面電車を利用することで日常生活に不便は感じないからです。下の写真は札幌の地下鉄駅構内の様子です。
これが北海道の他の市町村だとクルマ社会前提で街が設計されているので、クルマが無いとちょっと不便に感じると思います。
特に通勤や病院通い。バスやJRがあったとしても1時間に1本なんて当たり前ですし、冬は積雪がありますので自転車が使えませんからね。
だけど、クルマなしで生活している人もいますので暮らせないことはないです。
札幌のメリット5.本屋と図書館の蔵書が充実している
札幌には北海道大学があるのと人口が190万人もいますので、本屋の充実っぷりは北海道内ではダントツで他を寄せ付けません。
大型書店
ジュンク堂、紀伊国屋、三省堂、コーチャンフォーなどがあります。技術書、専門書関係についてはジュンク堂がダントツでした。なお、これらの多くが地下鉄沿線にあることも利便性につながっていて、本好きにはウレシイかぎりです。
やはり、技術書あたりはリアル本屋さんで中身を吟味してから買いたいですからね。今まではAmazonのレビューを参考に買っていたのですがハズレを引くことも少なくなかったので助かってます。
札幌中央図書館
蔵書が充実していているので、本代の節約にもなりそうです。
なお、札幌中央図書館の蔵書の貸出・返却はネット予約を利用すれば、中央図書館まで行かなくても市内各所にある出張所(区民センターや大通り出張所)が利用できるのも便利でいいですよ。
図書館の検索システムで調べたところ、技術書もそこそこ、なんとラノベまで置いてあるようです。
札幌中央図書館の蔵書のラノベ:例えばこんなのもありました。すばらしい!
札幌のメリット6.大型小売店が一通り揃っている
生活や趣味に必要な店舗、サービスは有名所というか大型の小売店が一通り揃っていますので、東京まで出なくてもそれなりにモノを揃えることができます。
さすが北海道最大の都市「札幌」です。出張で全国を周ってみた感覚からも、お店の充実度は日本の地方都市の中では高い方だと感じました。モチロン、北海道の中ではダントツです。
衣料品
デパートがたくさんあるので、ちょっとしたモノが欲しいときには困らないです。ユニクロも含めて、ブランド品でも概ね札幌駅ビルで揃うと思いますよ。ただし、大通り駅周辺の方が店舗数は多いですね。
アウトドア関係
アウトドア・アパレルメーカーのColumbiaやTHE NORTH FACE、Mont-bellなど店舗も普通にありますし、アウトドア大型専門店の秀岳荘が札幌では有名ですね。
メガネ
ふつうにありますが、JINSのような激安メガネ店もあるのでありがたいです。安いものでレンズ付きで5000円からありますからね。
楽器店
大手では島村楽器が札幌駅と大通りに2店舗あるのみですが、店舗自体がそこそこ大きいので十分ですね。
家電
大型店がふつうにあります。札幌駅直近だと、ヨドバシ、ビックカメラの店舗規模が大きいです。
しかし残念な点としては、Appleストアが現在ないです。以前はあったのですが、諸事情で撤退してしまいました。復帰についても今のところ情報はありません。
札幌のメリット7.食べ物の美味しさレベルが平均的に高い
札幌や北海道ならではの食材って、そんなに際立ったものが無いというのが僕の印象ですが、札幌は飲食店の平均レベルが高く、そんなに外したことはありません。その辺りがメリットといえます。
僕は長年のサラリーマン生活ですっかり舌が肥えてしまい、外食で感動することはあまり無くなりましたが、そんなボクでも札幌でする食事に不満を感じたことはほとんどないです。たまに外食してもふつうに美味しいです。
北海道は産業が農業と公共事業が基幹産業ですので、その辺も食の美味しさに関係していると思います。
地域独特の料理としては、ラーメン、スープカレー、ジンギスカンが有名ですが、ボク自身さほど食べ歩いているわけではないので詳しくはありません。
ボクが好んで食べているラーメン屋は「ラーメンの寶龍 APIA店」です。北海道でよく見かける太い縮れ麺です。味噌、醤油、塩と全種類制覇しましたが、どれも美味しかったです。お店で推しているのは味噌ラーメンですけど。ラーメンの写真はお店のwebsiteを見てください。上のリンクから入れます。
すすきのの「ラーメン横丁」は昔から有名ですが、いつもグデングデンに酔っ払ってから入店していたので、味を憶えていないのが残念です。
ジンギスカンはサッポロビール園が店舗も小奇麗だし、肉も美味しいのでオススメですね。月次でごめんなさい。下の写真はサッポロビール園博物館の店舗の写真ですが、ガーデングリルホールには個室もありますので、落ち着いてジンギスカンが食べれます。
札幌のメリット8.家賃が全国レベルみると安い
家賃は固定費の中では一番高いので、コレを安く抑えることが生活をラクにする秘訣です。札幌は家賃が全国的に見ても安いです。
家賃を比較した都市は、安い順に松山、福岡、札幌です。建物は防音を考えて、RC造(鉄筋コンクリート製)で探しました。
その結果わかった家賃の相場ですが、1ルーム・管理費込み・築20年以内・RC造・2階以上の条件でザックリと次のような感じでした。全国的にみても、この3都市は家賃が安いです。探していたのは2月くらいで、6月現在で探すとRC造の安い物件が少なって全体的に相場が上がってますね。
- 松山:3万円〜
- 福岡:3.5万円〜
- 札幌:3.5万円〜
札幌はこれに暖房費が加算されるので実質固定は福岡よりも高くなりますね。
例えば、こんな感じです。
松山の物件
福岡の物件
札幌の物件
当たり前ですけど、鉄骨造や木造で探せば、安い物件はたくさん残ってます。
ただ、僕の場合、民間賃貸は無職状態だと契約が難しそうだったので、預金がある程度あれば入居できるUR賃貸で探したら札幌が一番安かったです。
しかし実際は、札幌では民間賃貸も預金額さえあれば入居可能なことがわかりましたので、もしかしたら、さらにいい物件があれば引っ越すかもしれません。この辺はじゅんべーさんのブログに詳しく書いてありますの興味のある方はご参照ください。
札幌のメリット9.祭りなどイベントが楽しめる
さっぽろ雪まつりとYOSAKOIソーラン祭りは有名ですね。この時期は札幌市内のホテルが予約でいっぱいになりますから。
両方とも市民参加型、つまりは市民がコンテンツを提供する側になれる祭りですので、お祭り好きの方には楽しいイベントになると思いますよ。モチロン、見るだけも十分楽しめます。
さっぽろ雪まつりの大雪氷造
有志の札幌市民も雪像つくりをします。
夏の大通りビアガーデンもお祭り気分が味わえますね。
他にも、ライラック祭り、オータムフェスト、菊まつりなどと定期的にイベントが楽しめます。
札幌のメリット10.初音ミクと雪ミク発祥の地
もはや初音ミクを知らない人は少ないでしょう。初音ミクは札幌市に本社を置くクリプトン・フューチャー・メディア(株)が販売しているボイスシンセサイザーのキャラクターです。国内外を問わずに人気を博しているのは周知の事実なので、ここでは多くを語りません。知らない人はこの本を読んでみて下さい。
初音ミクは札幌が発祥の地ということで、ミク廃の人にとっては聖地も同然なのです。雪ミクという派生キャラは、さっぽろ雪まつりにおいて雪像になったことがルーツとなっています。(ニコニコ大百科より)
先日、札幌の街で見かけた雪ミク電車。2枚目はブレブレになってしまった。たまたまポケットに入っていたコンデジで撮影 pic.twitter.com/Iy6CqHtuGS
— sim (@ssiR01) 2016年12月1日
これを読んでいるあなたがミク好きであれば、それだけで十分札幌に住む理由になることでしょう。
というのは半分冗談です。
さいごに
メリットばかりを書いてきましたが、デメリットも正直に書いておきますね。
デメリットは暖房費がかかるということと、積雪があるので住宅事情によっては除雪が大変なことです。
住んでいる賃貸物件によっては除雪の必要がないところもあるので除雪が嫌なヒトはそういう物件を探すのもアリです。
このような冬の厳しさは、北海道特有の夏の涼しさと相殺できるわけですけど。
あと問題は、「仕事が選べないこと」でしょうか。求人はありますが、北海道自体、農業と公共事業が基幹産業なので職種はあまり選べないです。
他には、社会保険料が高いと書かれているサイトもありましたが、僕の調べでは全国平均レベルだと思います。
そんな事情もありますが、収入源さえ確保できれば、上に書いた10のメリットで、快適に楽しく生活できる街であることは間違いないですよ!
では