sim(@ssiR01)です。
「北海道に住みたいけど、車は必要だろうか?」という質問に対して、ほとんどの道民は「Yes」と答えます。
でも、僕の回答は、サラリーマンであっても「必ずしも必要ではない」です。
確かに車が必要な地域もありますが、そこは交通の便が極度に悪い、いわゆる例外的な場所だからです。
ちなみに僕は北海道の中で、人口数千人の過疎地と、約十数万人の地方都市に住んだことがあり、今は人口約200万人の札幌市に住んでいます。
その経験から出した結論は、「人口が数万人規模以上の地方都市であれば、車は必需品ではないし、それ以下の小さい町村であっても必ずしも必要ではない」です。
なぜ、みんな車が必要と答えるのか?
まわりの人と同じだと安心なので、ほとんどの場合、無思考に必要だと思いこんでいるだけというのが実情です。道民はクルマの所有率が高いのでなおさらですね。
では1つずつ具体的に車の必要性を考えてみます。
「車の所有率が高いから」と答える人は、無思考
「みんな車を持っているから、自分も買っておけば安心だ」という無思考なパターンが一番多いです。
こういう人達は、そもそも車がなぜ必要なのかを考えたことすらないでしょう。僕もそうでしたから。
田舎町では、いい車に乗ることが一種のステータスみたいな時代もあったので、それだけの理由でいい車に乗ることを目的に生きている人もいます。
ここまでいくと車は趣味か見栄ということになるから、必要か不必要化という議論から外れます。
趣味や見栄で車がほしい人は悩むことなどありません。買えばいいだけの話です。
「遊びに行く時に不便だから」という人は、趣味として車が欲しいだけ
これも思い込みです。こう考える人達は「車で遊び行くのは趣味の範疇である」ことを完全に忘れています。
別に高い維持費をかけながら車を所有しなくても、公共交通機関を利用すればいいし、それができないのであればレンタカーを借りれば良いだけの話ですから。
友人宅を行き来する場合にもタクシーを利用した方が経済的だし、飲酒運転の心配をせずにお酒が飲むことができます。
なぜなら、自家用車を所有すると維持費は普通車の場合で少なくとも年間50万円、つまり月4万円以上はかかるからです。
この試算は車両価格100万円の中古車を10年間乗った場合の車両代を含めた維持費です(それでも、かなり安く見積もっている)。300万円クラスの新車だと年間70万円以上の維持費がかかるから要注意。
もちろん、遊びに行く頻度にもよりますが、そういったケースは車は生活必需品という議論からすでに外れています。
趣味として車が必要なら買えばいいだけの話です。
「通勤、病院・銀行・役所通いに便利だから」と答える人は楽をしたいだけ
これについては通勤とその他で分けて回答します。
通勤については
よほどの場合でないかぎり、公共の交通機関と徒歩の組み合わせで通勤は可能なはずです。
上にも書いたとおり、普通車を所有した場合で少なく見積もっても年間50万円以上、月に4万円以上の維持費がかかることを思い出して下さい。
つまり、車を所有することによって、その維持費を余計に稼がなくてはいけないということをです。
そのことが理解できているのなら、公共交通機関を利用して交通費を会社から支給してもらった方が効率よく稼げることは明らかでしょう。
そして、もう一つ自家用車を持たないメリットを書くと、決まった時間に退社する理由ができるのも大きいです。
つまり、公共の交通機関を利用していれば、「私、バスの時間があるので帰ります」という最もらしい口実ができ、無駄な残業を避けることができるし、普段から「あいつはバスの時間になったら帰る奴だ」と周囲に認識させておけば、繁忙期であっても深夜残業は避けやすいメリットがあるのも事実。
例外は、転勤などで公共の交通機関では通えない場所に勤務先があった場合です。
大きな会社であれば、専用の通勤バスが運行している場合もあるし、そうじゃない場合は会社と交渉して、社用車を通勤に貸してもらうなどの方法もあります。会社の都合で辺鄙なところに転勤させられるわけであるから、会社も嫌とは言わないでしょう。
病院・銀行・役所通いについては
これも大抵、公共の交通機関と徒歩の組み合わせで利用できる場所にあります。
もし、不便な場所にあったとしても、そう高頻度に行くわけではない。せいぜい月に数回ならば、タクシーを利用した方が自家用車を所有するよりもよっぽど経済的で無駄がないことは明らかです。
「買い物には車があると便利だ」といものウソ
田舎町にあるショッピングモールは車で出かけるのを前提の立地です。たしかに、そこでのショッピングを楽しみたいのなら車があった方が便利でしょう。
しかし、今はほとんどの物を通販で買うことができます。食材も同様です。
ですから、買い物に対して、車はもはや必需品ではないのです。
都市の規模別に解説してみる
札幌市の場合
通勤が公共の交通機関が利用できて、地下鉄沿線に住んでいれば自家用車は全く必要ありません。これはもう説明するまでもありませんね。
しかし、札幌市民の車の所有率は多いですね。ですが、勤め人をしながら車をあえて所有しない知人もいます。
要はその人の生活設計次第です。
人口十数万人規模の地方都市の場合
ここではほとんどの人が車を所有していました。一人一台なので、一家に数台の車があることも珍しくありません。
もう、車を所有することが前提になっていて、無思考に自家用車を持つ人がほとんどなので、そういう人たちのアドバスは役に立たないことを肝に命じておきましょう。
実際、車を持たなくても生活は可能です。
僕の母は車の免許すら持っていませんが、隣町の祖母の介護や病院・銀行・役所通いをフツーにこなしていました。しかもかなりの高齢で!
さらに、「高校生の通学はバスかJR利用」だということを考えると、勤め人が通勤に車を欲しがる理由のほとんどは楽をしたいからだということが明らかです。
つまり、上の方に書きましたが、生活設計さえをちゃんと立てれば、車がなくても北海道での生活は可能なのです。
人口2〜3千人規模の過疎の町の場合
ここでも転勤で入ってきている大都市出身の方の多くは自家用車を所有せずに生活していました。通勤は職場が運行している通勤バスを利用していました。
ただし、北海道の過疎地の中には車がないと生活がものすごく不便な所があるのも事実です。JRの特急が停車しないような市町村はその可能性が高いですね。
農業や漁業を仕事にするのであれば、公共交通機関の利用が困難な地域に住むケースが多いでしょうから、その場合は諦めて車を買いましょう。
まとめ
以上のように、ほとんどのケースで自家用車を持たなくても北海道で生活は可能だというのが僕の考えです。
車が必要な地域に住むということは、かなり辺鄙な場所だということを覚悟する必要があるから要注意ですよ。車の必要性以前に、むしろ「ほんとにその場所に住む必要があるのか?」ということを再考することをオススメします。