sim(@ssiR01)です。
より豊かな人生を送るための秘訣が書かれているオススメ本。今年、読んだ本の中でイチオシですね。
生産性を上げてより豊かな人生を送るには、「インプットとして投入していた時間を減らす」という大胆な切り口で書かれています。
とても学ぶべき点が多かったので、忘備録も兼ねて内容の一部をまとめておきます。
生産性とは
本書では次のように説明されています。
生産性とは「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率のことです。
後で詳しく書きますが、ここでは「希少資源がどの程度、有効活用されているかという度合い」だと考えてください。
つまり、整理すると
- 「時間やお金など有限で貴重な資源」=インプット
- 「手に入れたいもの=成果」=アウトプット
- 「アウトプット/インプット」が高いこと=生産性が高い
生産性が悪いと人生どうなるか?
では生産性が悪いまま放置しておくと、どうなってしまうのでしょうか?
本書に書いてあることをざっとまとめると
- 今後数十年以内に来る高生産性社会で職を失う
- 忙しいけど、成果が少ない、あるいはゼロかマイナス
- 生活の質が良くならない
- 無思考・低成長になりがち
「これでもいいよ」っていう人もいるかもしれませんが、少なくとも僕にとっては楽しい人生とは言い難いですね。
僕の知人の学校の先生は長時間労働が前提で働いています。もう、「忙しい=正義」みたいに、完全に無思考に陥っています。
そんな人にこそ、この本を読んでもらいたいです。
僕自身も、今取り組んでいる創作活動があまりにも非効率(=生産性が悪い)で、やる気を失いかけていたので、とてもいいタイミングをこの本に出会えました。
生産性を上げるにはインプットを減らすことが必須条件
では生産性を上げるにはどうすればいいのか?
答えはスバリ1つだけ!
インプットを減らすことが必須の条件になります。
本書でいうインプットというのは主に時間です。
以下、「ためになるな〜」と思った部分を一部引用しておきます。
インプットが増やせる環境で生産性が上がる人はいません。「できるまでやる!」「徹夜してでも仕上げる!」「とにかく頑張る!!」というのは、労働時間の追加投入を是とする超危険な発想です。そんな言葉を口にしている間は、「できる人」にはなりえません。
大事なのは、ありえないと思えるくらい時間の足りない予定表を作ることです。そうしないと生産性は上がりません。
だからどの仕事にも割り当てない時間をたっぷりと確保し、各仕事は「こんな短い時間ではとても無理」という状態にしてから、「その時間内で終わるやり方」をゼロベースで考える——これが生産性を上げるための秘訣なのです。
「全部をやる必要がある」と考えている人の多くは、やれば終わることからやり始め、付加価値の低い作業で仕事時間を埋め尽くしてしまいます。これでは肝心の重要な仕事では成果が出せません。
自分にとっての希少資源が何か考える
希少資源は、年齢やその時々の人生のステージによって違ってきます。
おもに時間とお金ですが、ほとんどの人にとっての希少資源は時間の方ではないかと本書を読んで感じました。
このことは以下の引用を読めば明らかですよね。
それは「お金は見えやすいが、時間は見えにくい」
本当は時間だってお金同様に有限です。誰にとっても20代でいられる期間は最長120ヶ月、3653日しかありません。
10年間=たったの120ヶ月
10年というと、一見すごく長い時間のように感じますが、実際はたったの120ヶ月しかないのですから!
「10年間=たったの120ヶ月」と考えると、もう少しの時間も無駄にしたくなくります。
図にしてみるとさらにわかりやすいです。本書に載っている図を下に引用しておきます。この図のマス目が全部埋まったときが、あなたの10年間が終わる時なのですよ。
意外と少ないのがわかるでしょ。
時間の家計簿をつくることが大事
そこで、時間という希少資源を有効に使うためにも、「時間を見えるようにしておく」ことが大切です。
とくに無駄なことに使っている時間を把握するには、次のように時間の家計簿をつけるのが秘訣のようです。
自分の生活のなかで「生産性の低いこと」「止めるべきこと」を探すには、1週間でいいので、朝から晩までなにをしていたか、1時間ごとの詳細な行動記録を作ってみるのが役立ちます。
意外とわかっていない自分が本当に欲しいもの
当たり前ですが、「自分が欲しいもの=アウトプット」は正確に把握していないと、決して手に入りません。
なぜなら、アウトプットによって「生産性の高いやり方」が違うからです。
以下の引用を読めば納得できるかと。
手に入れたいものが違う人にとっては「生産性の高い方法」も異なるということです。だから誰かが勧める「生産性の高いやり方」をそのまま真似しても意味はありません。その人が手に入れたいものとあなたが欲しいものは、同じように見えても実はまったく違うかもしれないからです。
豊かな生活とは、希少な資源を最大限に有効活用し、自分が欲しいものをできる限りたくさん手に入れるという生産性の高い生活のことです。でも肝心の「欲しいモノ」を見誤ってしまっては、いくら希少資源を投入しても手に入ることはありません。
この引用からもわかるように、自分の欲しいものは自分の頭でしっかり考える必要がありますね。
ラーニングカーブ
新しい技術を習得するために勉強している人にも注意すべきことがあります。
それは何をどのレベルまで頑張るかです。
何事も一定レベルまでは成長スピードは速いですが、ある点を過ぎると簡単には上達しなくなるからです。
このことについても、ためになることが随分書かれていました。
経験的には誰でも知っていることですが、なんであれ新しいことを始めてスグの頃の頑張りは、簡単に大きな成果につながります。しかし一定の時点に達すると、今までと同じように頑張っても、簡単には上達しなくなります。最初の頃のような「ちょっと頑張ったらスグに上達する」という生産性の高い状態が永久に続くことはありません。 これは学習曲線(Learning curve ラーニングカーブ)と呼ばれる概念で、図18のように、横軸に学習時間、縦軸に学習の成果をとったグラフで表されます。
どの時点であっても、時間をかければその分、上達はできます。しかしそのペースは、ある時点(☆時点)から一気にペースダウンします。このため学びの生産性を気にしない人は、この☆時点から後、延々と「まったく上達が実感できないのに、頑張り続ける」という状態に突入します。
だから「これは自分にとって勝負の分野だ!」と思えるなら最後まで頑張るべきだし、むしろ☆時点(20/80の時点)がスタート地点であって、そこからが本当の勝負です。 でも自分にとって大して重要ではない分野なら、☆時点に達したところで止めるというのが、ひとつの合理的な判断です。なぜならここから先は、ホンの少しの成果を上げるためにも多大な時間が必要とされる=とても生産性が低いフェーズに入るからです。
多くのことに手を出し、その大半を数年でやめてしまう人のことを「なにをやっても中途半端な人」などと批判する人がいますが、私はこのスタイルのなにが悪いのかわかりません。こういう人は、自分の貴重な時間を学びの生産性が極めて高いフェーズにのみ投入している、とても合理的な人です。
フリーランスにとっての時間(インプット)管理
時間管理がサラリーマンよりも難しいフリーランスについても、ためになることが沢山書いてありました。
例えば、
フリーランスの方は、仕事だけでなくそれ以外の予定もすべて、あらかじめカレンダーに書き込んでみましょう。仕事ではスケジュール管理ができているのに、家のことになるとついつい「時間がなくて」放置しがちという会社員の方も、週末や夕方の専用のスケジュール表を作ってみてください。 ここで「やりたいこと」の時間を先に確保すれば、「やらなければならないこと」に関しては、今までよりはるかに生産性の高い方法を考えなければ乗り切れなくなります。
生産性を上げて得られるご褒美
そして、生産性を追求することで得られる副産物の魅力についても、こう書かれていました。
生産性を上げようと真剣に取り組むと、その過程で私たちはたくさんの〝ご褒美〟を得ることができます。
それは、
- いつのまにか成長できていること
- やりたいこととそうでもないことが、明確に区別できるようになること
- 自分の人生の希少資源の使い途に関して、他人の目が気にならなくなること
これこそが豊かな人生を送っていることなんだろうなと…
さいごに
時間とお金をいかに上手に使えるかが生産性を上げる秘訣ですが、そのためにはまずは「インプット(時間)を減らす」という、大胆な方法論が書かれていました。本書を読めば納得できますよ。
繰り返しになりますが、今年読んだ本の中で一番刺さりました。