アニマルフォトグラファーのsim(@ssiR01)です。
この記事では、野鳥撮影で5ヶ月使ってみた『SONYの1.4倍テレコン(SEL14TC)』で、どこまで鳥の羽毛が鮮明に描写できるかを実際の作例を使って紹介します。
結論としては、『7m以上の遠距離から撮影するときはテレコンは必須アイテム』でした。
解像も合焦スピードも実用レベルだから、今ではテレコン付きがデフォルトの撮影スタイルになったよ。
この記事では、実際の作例で証明するよ。
撮影機材
SONYのα7RIII(ILCE-7RM3)と超望遠レンズFE 100-400mm F4.5-5.6 OSSに『SEL14TC』テレコンを付けて撮影しています。
撮影距離20m以上の解像感
被写体まで20m以上の距離で撮影する場合、テレコンをつけないと羽毛の質感を写真表現することはムリです。
撮影距離25mのヤマセミの作例
1.4xテレコン使用で、インスタグラムに投稿した写真で解像感の良かったものを一つ載せておきます。これで撮影距離25mですが、下のように拡大しても羽毛の質感もリアルに表現できていました。
撮影距離20mのヤマセミの作例
撮影距離20mの1.4xテレコン使用の作例は下のとおりで、さらに羽毛の解像感がアップします。
もう一つ、日陰での距離20m・テレコン付きの作例も載せておきますが、光量が少なくてもまずまず解像しています。
一方、テレコンなしだと、下のような感じで羽毛の解像感はイマイチです。
距離20mのカワセミの作例
では、カワセミにように小さな鳥はどうかというと、テレコンを使えば、距離20mでも下くらいの解像感で撮影できます。
撮影距離7〜10m前後の解像感
撮影距離7m前後は、テレコンなしでは羽毛が解像しなくなる境目です。
結論としては、撮影距離7m以上であれば、テレコンを装着した方が明らかに羽毛が解像しやすいです。
撮影距離10mのレンジャク
レンジャクは羽毛が細かくて解像しにくい鳥です。
下の作例は天候曇り・距離約10mで1.4xテレコン付きですが、なんとか羽毛の雰囲気が残っています。
下の作例は晴れの日に距離約7〜10mで撮影しましたが、テレコンなしで羽毛の質感がギリギリ表現できていますね。
撮影距離10mのシメ
シメも羽毛が解像しにくい鳥です。この鳥の羽毛を解像させるためには、テレコンを装着して少しでも焦点距離を稼いだ方が有利でした。
下の作例は、距離約10m・1.4xテレコン付きで撮影したシメで、羽毛もバッチリ解像しています。
一方、テレコンなしで撮影すると、晴れ順光でも羽毛は完全に解像しません。
撮影距離5m〜7m
撮影距離5〜7mはテレコンなしでも羽毛が高確率で解像します。ただし、テレコンを付けた方が確実に解像します。
撮影距離6〜7mのキレンジャク
撮影距離6〜7mでは羽毛の解像感はテレコンの有無で気にならないレベルでした。
まずはテレコン付きの作例から。羽毛はキレイに解像しています。
そして、テレコンなしの作例がこちらです。画質はこちらの方が若干いいですね。
撮影距離5〜7mのウソ
この距離だと、上のキレンジャクと同じようにテレコンの有無は羽毛の解像にあまり影響しません。つまり、テレコンなしでも解像します。
下の作例はテレコンなし・距離5mで撮影しましたが、羽毛はバッチリ解像しています。
下の作例は1.4倍テレコン使用・距離7mのウソですが、こちらも羽毛は解像していますね。
撮影距離5m以内
距離5m以内で撮れるのであればテレコンなしでも羽毛が確実に解像します。そして、テレコンなしの方がシャッタースピードが稼げるので撮影に有利になります。
しかし、距離5mの撮影は、よほど幸運に恵まれるか、餌付けポイントか、ブラインドでカムフラージュした撮影になるので一般的ではありませんね。
参考まで作例を幾つか載せておきます。
まずはテレコン付きの作例から。下のシジュウカラ写真はインスタグラムで評価が高かったです。
テレコン無しの作例はこちら。羽毛は十分に解像しているし画質もキレイです。
まとめ
結論としては、『1.4xテレコン(SEL14TC)は、野鳥の羽毛を解像させる必須アイテム』ということになりました。
テレコンSEL14TCを装着しても画質やオートフォーカス速度は実用レベルですから安心して使えます。
たしかに撮影距離7m以内ではテレコンがなくても羽毛が解像する確率が高いですが、そんな好条件に恵まれることは稀です。
なので、今では撮影時にテレコン装着は僕のデフォルトスタイルになっています。
では
一般的に、テレコンを使うと画質が悪くなると言われているよね。