ハシブトガラ雛の撮影方法とLightroomの設定/野鳥写真のコツ




アニマルフォトグラファーのsim(@ssiR01)です。

この記事では、ハシブトガラの幼鳥(巣立ち雛)を撮影した方法とLightroomの設定を実際の作例で紹介します。

今回は日陰で暗い林の中で順光撮影です。

この記事では、光量が少なくて高画質に撮りにくい条件のなかで、どうしたのかを解説します。

今回の作例は下のとおり。

今回撮影で気をつけた点は下のとおりです。

撮影で気をつけた点
  1. シャッタースピードを1/100秒まで落としてISO感度を下げる
  2. 露出を上げすぎないようにしてISO感度を下げる
  3. 背景が淡い緑色になるように撮影位置を決める
  4. 巣立ち雛なので怯えさせないように短時間で撮影を終える
“sim”
被写体が巣立ち雛だったので、刺激しないようにサクッと撮って短時間で離脱した。

だから、ほとんどスナップ撮影だったよ。

“サル君”
巣立ち雛を怖がらせては野鳥カメラマンとして恥ずかしいからな。

撮影方法

巣立ち雛を発見した状況

被写体のハシブトガラの巣立ち雛は偶然発見したのですが、一応見つけるに至った状況を書いておきます。

  1. 公園遊歩道沿いに暗い林の中を眺めながら探鳥
  2. 鳥が良く集まる木周辺でパタパタと低く飛ぶ物体を発見
  3. カメラを望遠鏡代わりにして巣立ち雛を確認

撮影位置を決める方法

被写体を発見した時は思いっきり逆光でした。その状況で撮影した写真がこちらです。

逆光とは
被写体の後ろに太陽(光)がある条件。

“sim”
Lightroomで補正して見れるレベルには加工したけど、画質はそれなり。

色もキレイに出てないし、イマイチな写真だということが撮影現場ですぐ分かったよ。

ということで、ひな鳥を驚かさないように大きく林を迂回して順光位置に移動しました。

順光とは
カメラの背後から被写体に向かって太陽(光)

が当たっている条件。

“sim”
順光位置では、予想どおりカメラのファインダーで色がキレイに出ているのを確認できたよ

その後、背景が淡い緑色になるように立ち位置を微調整してから撮影をスタートしました。

背景は重要!
写真を料理に例えると背景は皿です。皿が汚いと美味しい料理も台無しになります。

カメラの設定を決める方法

うまく順光ポジションにつけましたが、撮影場所の林の中はかなり暗いため、ISO感度が上がって画質が悪くなります

この状況でISO感度をなるべく低くするためにしたことは次の2つです。

ISO感度を低くするためにしたこと
  1. シャッタースピードを1/100秒まで落とす
  2. 露出補正せずに暗めに撮る

シャッタースピードは「野鳥のトマリモノ撮影」では1/250秒ぐらいがデフォルト設定ですが、被写体ブレで歩留まりが悪くなるのを覚悟して、1/100秒まで落としました。

露出補正は、暗かったのでプラスにしたかったのですが、画質優先でプラス補正せずに暗いまま撮影しました。

“sim”
この条件でも、ISO感度は1600まで上がっちゃいましたが…
画質とカメラ設定の関係
  1. ISO感度を上げると画質が悪くなる
  2. シャッタースピードを上げるとISO感度も上がる
  3. 露出をプラス補正するとISO感度も上がる
  4. 絞り値を上げるとISO感度も上がる

Lightroomの設定

以上の条件で撮影したJPEG撮って出し写真が下の作例になります。

ハシブトガラ:巣立ち雛:JPEG撮って出し

“sim”
見れないことはないけど、JPEG撮って出しだと少し暗いね。

とくに動物写真の命「お目々」が黒く埋もれてしまっているな。

ということで、Adobe Lightroomで補正しました。

その設定はこちらです。

Lightroom補正後の写真がこちらです。

“sim”
シャドウを上げることで、暗く階調がつぶれてしまっていた目の辺りが見やすくなったよ!

ハシブトガラ巣立ち雛Lightroom補正後

補足すると、ハイライトを下げたおかげでコントラストが弱くなり、ヒナ鳥らしく柔らかい質感なりました。

撮影機材

次の3点セットで撮影しています。

使ったカメラとレンズ
  1. カメラボディ:SONY α7R3
  2. 超望遠レンズ:SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
  3. 1.4xテレコン:SONY SEL14TC

高画素フルサイズセンサーのカメラボディに、400mm相当の超望遠レンズ、1.4xテレコンのセットです。さらに全画素超解像ズーム(デジタルズーム)で2倍の画角にしているので、1120mm相当の焦点距離で撮影しています。

a7RIIIサムネ

SONYのミラーレスカメラ『α7RIII』は野鳥撮影に使えるか?

2018年3月12日

SONYFE100-400+a7R3

まとめ

以上、暗い場所にいたハシブトガラの巣立ち雛を撮影した方法の紹介でした。

まとめると、下のような感じです。

撮影で気をつけた点
  1. シャッタースピードを1/100秒まで落としてISO感度を下げる
  2. 露出を上げすぎないようにしてISO感度を下げる
  3. 背景が淡い緑色になるように撮影位置を決める
  4. 巣立ち雛なので怯えさせないように短時間で撮影を終える
“sim”
悪条件の中で、できるだけ画質を上げる感じで撮ったよ。

Adobe Lightroomでは、いつもように暗く撮った写真を明るく補正しました。これだけで見違える写真になります。

“sim”
Lightroomを使うと、自然な感じで明るく補正できるよ。

では



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動物写真家、ブロガーとして活動中。 属性は他に、博士(農学)、DTMer,ツーリングライダー歴30年。 【問い合わせ】Twitterアカウント宛にDM 願います。 【注意】野鳥の撮影場所についてのご質問はご遠慮願います。