アニマルフォトグラファーのsim(@ssiR01)です。
みなさんは野鳥撮影のシャッタースピードをどのくらいに設定していますか?
最近のミラーレスカメラは手ぶれ補正が優秀なので、三脚を使わない手持ち撮影でも手ブレのない野鳥写真が撮れます。
でも、シャッタースピードの設定を誤ったせいで、せっかく撮った写真が全滅していてガッカリしたことはありませんか?
たとえば、こんな感じで…
でも、大丈夫。
手ブレや被写体ブレしないシャッタースピードの目安は鳥の種類でだいたい決まっているからです。
ということで、この記事では、身近な野鳥を中心にブレないシャッタースピードを作例を使って紹介します。
野鳥撮影のシャッタースピードのデフォルト設定値は?
僕が野鳥撮影をするときのシャッタースピードのデフォルト値は
ずばり1/250秒です。
説明を補足しておくと、早朝の時間帯では、「写真画質」と「被写体ブレを最小限に抑える」ためのシャッタースピードの妥協点が、僕の場合ちょうど1/250秒だからです。
だから、この1/250秒を基準に、撮影場所の明るさ、撮影する鳥の種類などに合わせてシャッタースピードを調整しています。
では、鳥の種類ごとにシャッタースピードを紹介していきます。
シジュウカラなど落ち着きのない野鳥のシャッタースピード
身近な鳥ということで、シジュウカラのように落ち着きがないカラ類の場合、シャッタースピードは、1/200秒〜1/250秒をデフォルトにして撮影しています。
僕のインスタグラムを覗いてもらえば分かりますが、カラ類はだいたいこのスピードで撮っています。
なお、歩留まりが悪くなるので、あまりオススメはしませんが、暗い日陰撮影で露出を上げざるを得ないときには画質を犠牲にしないために、シャッタースピードを最大1/80秒まで下げることもあります。
このシャッタースピードで撮っている野鳥の種類をまとめると下のとおりです。
- シジュウカラ
- ヤマガラ
- ハシブトガラ
- ヒガラなど
キビタキのように枝で囀る野鳥のシャッタースピード
キビタキやオオルリのように枝で囀る野鳥の場合はシャッタースピードを1/125秒くらいまで下げても大丈夫です。
僕の場合、安全をみて1/200秒〜1/250秒で撮ることが多いです。
でも、暗がりで撮る場合には画質を確保するために、シャッタースピードを1/125秒まで下げます。
- キビタキ
- オオルリなど
ゴジュウカラやキツツキなどの幹を動き回る野鳥のシャッタースピード
ゴジュウカラやアカゲラなどの樹上を速いテンポで動き回る野鳥はシャッタースピードを速めに設定しないと、被写体ブレ写真を量産します。
これらの野鳥の特徴は、樹上を早歩きし、速いテンポで別の木に飛び移るのでシャッターチャンスのある時間は意外と短いです。
なので、基本はシャッタースピード1/250秒以上でサクサク撮るようにしています。
下のコゲラは暗い場所でシャッタースピード1/250で撮影した作例です。
下のゴジュウカラは明るい場所で撮影したこともあって、1/800秒までシャッタースピードを上げた作例です。
- ゴジュウカラ
- コゲラ
- アカゲラ
- オオアカゲラなど
シマエナガのように常に動いている野鳥のシャッタースピード
じっとしていない野鳥の代表でもあるシマエナガを撮るときのシャッタースピードは1/500秒以上がオススメです。
シマエナガは動きが素早い上に常に枝から枝へ飛び回るので、普通に撮るとブレブレ写真を量産してしまうからです。
セキレイのように高速で歩く野鳥のシャッタースピード
セキレイのように速いテンポで地上を歩き回る野鳥のシャッタースピードは1/250秒以上です。
歩いている最中は高画質で撮ろうとすると、どうしても被写体ブレするので、動きを止める一瞬を狙って撮影するのがオススメです。
- ハクセキレイ
- キセキレイ
ツグミ・レンジャクのように枝の上で動きが遅い野鳥のシャッタースピード
ツグミやレンジャクのように枝にいる時の動きが速くない野鳥は、シャッタースピード1/200秒〜1/250秒がオススメです。
下のキレンジャクの作例は、1/250で撮影したものです。
ただし、羽ばたきシーンを撮りたいときは下の作例のように1/500秒以上にしないとブレます。
- ツグミの仲間
- キレンジャク・ヒレンジャク
- ミヤマカケス
ウソ・シメのようにゆっくり枝で実を食べる野鳥のシャッタースピード
ウソ・シメのように一箇所で長く木の実を黙々と食べ続ける野鳥は、シャッタースピード1/250秒がオススメです。
ウソやシメは他の野鳥よりも一箇所にいる時間が長いですが、鳥の気分次第ですぐ飛び去ってしまうのでテンポ良く撮影していくのがいいです。
下に1/250秒で撮影したウソとシメの作例を載せておきます。
ヤマセミのように枝にとまっている時間が長い野鳥のシャッタースピード
ヤマセミのように枝にいるときはジッと動かない野鳥は、シャッタースピードを1/80秒くらいまで落としてもブレません。
ヤマセミは被写体までの距離が20m以上と遠いので、できるだけ低いISO感度じゃないと良い鮮明な画質では撮れません。なので、手ブレするギリギリのシャッタースピードまで下げることで、ISO感度を下げて撮影することをオススメします。
下に手持ち1/80秒で撮影した作例を2つ載せておきます。
ただし、飛翔シーンを撮影する場合には、シャッタースピードを1/2500秒以上まで上げないと被写体ブレをするのでご注意を。
まとめ
以上、身近な野鳥を中心に被写体ブレしないシャッタースピードを紹介しました。
まとめると、下のようになります。
- 基本はシャッタースピード1/250秒
- 動きの速い鳥は1/500秒以上
- 飛翔シーンは1/2500以上
- あとは画質を上げるためにどこまでシャッタースピードを落とせるか?
では
撮影機材
参考までに、僕の撮影機材も紹介しておきます。
僕は次の3点セットで撮影しています。
- カメラボディ:SONY α7R3
- 超望遠レンズ:SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
- 1.4xテレコン:SONY SEL14TC
高画素フルサイズセンサーのカメラボディに、400mm相当の超望遠レンズ、1.4xテレコンのセットです。さらに全画素超解像ズーム(デジタルズーム)で2倍の画角にしているので、1120mm相当の焦点距離で撮影しています。