「ちきりん」さんの「自分の頭で考えよう」の読書メモです。
ぼくは読書や調べ物が好きで結構な時間を割いているのだけれど、コレって単なるインプットであって、決して「自分の頭で考えている時間」ではないのです。
インプットしたものって何らかの形でアウトプットしないと価値を生まない。
以下、引用を含めた解説ですが、眼から鱗でした。
「思考」という概念について改めて考えさせられます。
また、今からすぐに実践できるのも本書の素晴らしい点ですね。
知識は過去で、思考は未来
知識と思考の区別が意外とできていなかったりしませんか?
僕自身もこの本を読むまでかなり曖昧なままでした。
本書では、これらを分かりやすく次のように区別しています。
- 知識=「過去の事実の積み重ね」
- 思考=「未来に通用する論理の到達点」
つまり、知識は過去でしかないけど、思考は未来であるということ。
自分の頭で考えること
自分の頭で考えるには、いったん頭の中から知識を分離するの秘訣だそうです。
そうしないと、知識をただ抽出しただけになってしまいますからね。
では、思考とどういう行為なのか?本書には次にように書かれています。
「思考する」とは、情報を集める作業でも、その情報の加工やグラフ化の作業でもありません。
「集めて加工した情報を、どのように結論につなげるかという決めるプロセス」です
元研究者としては、これは学術論文作成のときの考え方と同じで、フンフンと納得してしまいました。
「なぜ?」と「だから何なの?」は大事
思考するにあたって、問題となる事象に対して、「なぜ、そういう事象が起きているのか?」と、「その事象に対して、自分は何をするべきなのか?」と問うことは重要だそうで、本書では人口比率のデータを使ってわかりやすく説明しています。
これについて、著書のちきりんさんは次のようにまとめています。
次に起こることを予想し、それに対応するためになにをすべきかを考える、これが「だからなんなの?」によって問われる思考です。
学術論文書く時の結論の部分を導き出すプロセスと同じです。
考える力をつけるには
ちきりんさん流の方法として次のように書かれています。
ちきりんは、考える力をつけるためには、ひとつの情報にたいして十分な時間をかけてトコトン考えることが大事だと思っています。
そして、「情報収集に1時間かかったのなら最低1時間は考えよう」と書いてありました。
とてもシンプルでわかりやすいです。
これも僕ら研究者が学術論文を書く時と同じです。
さいごに
本書には、考えることについて興味深いことが他にも多く書かれています。
元博士研究員の僕が読んでも「なるほど〜!」と関心することばかりですね。
一般の方だけでなく、研究をやっている人にもオススメの一冊です。