ソニー「α7RIII」で野鳥撮影レビュー:フォーカスエリア『ゾーン』は使えるか?




アニマルフォトグラファーのsim(@ssiR01)です。

野鳥撮影用に導入したソニーのα7RIII(ILCE-7RM3)と超望遠レンズFE 100-400mm F4.5-5.6 OSSのレビュー記事です。

この記事では、野鳥を撮影するときにα7RIIIのフォーカスエリア『ゾーン』は実用レベルかどうか?を実験してみたので、実際の作例をつかって紹介します。

とりあえず、実験1回目の結果ということでご理解ください。

“sim”
結論としては、枝が混んだ場所では『ゾーン』はまったく使えないことが分かったよ。

まあ、これは他のメーカーのカメラでも同じだろうけどね。

最新のカメラでもAFはそこまで賢くないってことが再確認できた。

“サル君”
詳しくは下を読んでね。
a7RIII

フォーカスエリア『ゾーン』とは

今回、試したフォーカスエリアは、『ゾーン』と『ワイド』の2種類です。

両方とも指定した画面エリア内で、自動で被写体にピントを合わせてくれる便利機能です。

この機能を使って、枝の中で飛び回る野鳥をガチピンで撮れるか実験してみました。

ちなみに、『ワイド』は画面全体、『ゾーン』は一部分といった感じで、実際に試した結果、ゾーンの方が精度が良かったので、実験本番は『ゾーン』を使いました。

“sim”
常に動き回っているシジュウカラみたいな野鳥を、人間の操作で追尾し続けることはハッキリいって難しい。

なので、カメラの便利AF機能を使って自動でできないかを実験してみたわけです。

今回の作例に使った鳥さん

今回の被写体となった鳥さんは、常に動き回って撮りにくいことで有名な『シマエナガ』くんです。

C-AFでガチピンで撮れれば、高い木の頂上付近であっても、下の作例のように羽の透明感まで描写できます。

Long-tailed Tit/シマエナガくん ここ2週間ばかりブレブレ写真を量産しています。SS速め、C-AFで数を撃たないと望みどおりの写真が撮れないことを悟りました。やはりエナガくんは本気で動体を撮るつもりで撮影しないとダメですね。 ISO 100, 400mm, ƒ/5.6, 1/320, -0.3 ev, SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 OSS SONY ILCE-7RM3(α7RIII) #シマエナガ #野鳥 #野鳥倶楽部 #バードウォッチング #LongtailedTit #sapporo #japan #birdphotography #bird #wildbird #birdstagram #birdwatchers #birdlovers #birdextreme #birddogoftheday #bestbirdshots #pocket_birds #birdsofinstagram #eye_spy_birds #your_best_birds #allmightybirds #bird_brilliance #nature_brilliance #nuts_about_birds #nature_worldwide_birds #exclusive_wildlife #instagramjapan #tokyocameraclub #birds_adored #YourShotPhotographer

Satoru Shimizuさん(@sat.simizu)がシェアした投稿 –

でも、人間の操作でシマエナガを追尾し続けるのは困難なので、歩留まりはヒジョ〜に悪いのです。

“sim”
シマエナガを写真の歩留まりをアップさせるために、カメラの便利機能が実用レベルで使えるなら最高なんだけどな。

フォーカスエリア『ゾーン』は枝が混んだ場所では役に立たない

これは最初から予測していたことなんですが、ガチピン写真が一枚も混ざっていなかったのには正直ガッカリしました。

“サル君”
まあ、枝被りのところを自動でピントを合わせるのは、他のどんなカメラでもムリだよな。
“sim”
以前、吹雪の中でも鳥にピントが合ったので、密かに期待していたんだけど、枝被りには勝てなかったな。

ということで、実際の失敗写真を幾つか紹介します。

まずは静止状態のエナガくんですが、手前の枝にピントを持って行かれています。中央1点のC-AFであれば、このくらいの枝被りならガチピン写真が可能です。

続いて、飛び出しシーンですが、惜しいレベルではありますが、かなりピン甘です。

SS=1/500であることもピンぼけの原因になってますが、それを加味してもAFが追尾しきれていません。

奥側へ距離多めに飛び出したシーンがこちらで、こちらはまったく追尾できてません。

解決策

シマエナガは枝被りなるようなモジャモジャした場所によく出没します。

でも、そんなところでガチピン写真を撮れたところで構図や背景がダメダメな場合がほとんどです。

でも、そんな状況でどうしても写真が撮りたいときは、C-AF+ロックオンAFで辛抱強く撮影するしかなさそうなので、そのうち実験してみます。

ロックオンAFは、α7R3ではコントロールホイール中央ボタンを押せば、被写体の追尾を開始できます。

“sim”
でも、ムリに込み入った場所で撮らずに、背景や構図が許せる場所にエナガくんが来るを待ってから撮影した方がいいと思うけどな。
“サル君”
細かい枝がモジャモジャした場所は背景が二線ボケになりがちだから、撮っても失敗写真を量産する可能性が高いしな。

まとめ

以上、α7R3のフォーカスエリア『ゾーン』は枝が込み入った場所での野鳥撮影にはまったく使えないことが分かりました。

あとは、α7R3のロックオンAF機能がどのくらい使えるかも実験してみる予定です。

では



ABOUTこの記事をかいた人

動物写真家、ブロガーとして活動中。 属性は他に、博士(農学)、DTMer,ツーリングライダー歴30年。 【問い合わせ】Twitterアカウント宛にDM 願います。 【注意】野鳥の撮影場所についてのご質問はご遠慮願います。