アニマルフォトグラファーのsim(@ssiR01)です。
野鳥撮影用に導入したソニーのα7RIII(ILCE-7RM3)と超望遠レンズFE 100-400mm F4.5-5.6 OSSのレビュー記事です。
この記事では、α7RIIIでシメを撮った時の「撮影距離や周辺光量が羽毛の解像度にどれだけ影響するのか?」について、実際の作例をつかって紹介します。
今回試したのは次の3点です。
- 撮影距離約8m(晴れ)での羽毛の解像度
- 撮影距離約15m(晴れ)での羽毛の解像度
- 撮影距離約8m(曇り)での羽毛の解像度
- 撮影距離約15m(曇り/早朝)での羽毛の解像度


焦点距離と撮影距離について
撮影機材の焦点距離
大前提として、撮影機材の焦点距離について、最初に書いておきます。
焦点距離は400mmで、これにデジタルズーム(全画素超解像ズーム)で2倍の焦点距離にしています。
つまり、800mm相当の焦点距離での撮影になります。

でも、ムリなトリミングよりは画質はマシなので、僕は多用しています。
撮影距離
僕がシメをとった8mという距離は、カメラの電子ファインダー上で拡大表示すると鳥の羽毛が解像するくらいの距離感です。
でも、記録される画像は一段解像度が落ちる感じですね。


晴れ時々雪の撮影
ちなみに夜明けの時刻は7時くらいです。明るくなるのは9時すぎですね。
距離8m以内/9:30/明るめ
周辺光量と撮影距離的には今回の記事の中ではベスト条件でした。

さらに解像させるためには、機材の望遠性能をアップさせるか、撮影距離を縮める必要があるね。
ノートリ写真
まずはノートリ写真は下のとおりで、かなり大きく撮れます。構図と背景が良ければ、そのまま使っても問題ない大きさですね。

ISO 100, 400mm, 0.3 ev, ƒ/5.6, 1/250, 全画素超解像ズーム
野鳥を拡大した画像
野鳥を画面いっぱいに拡大したのが下の画像です。羽毛は完全に解像していないけど、遠目にはいい感じに写ってます。



距離15m/9:00/やや明るめ
上の写真を撮る前に、遠くから撮影した作例も紹介します。
ノートリ写真
こちらも、風景写真としては見るなら十分な大きさにシメが写ります。構図と背景を工夫すれば、ノートリでも十分成立しますね。

ISO 100, 400mm, 1 ev, ƒ/5.6, 1/250, 全画素超解像ズーム
野鳥を拡大した画像
野鳥を拡大してみると、やはり解像度が足りません。ムリなトリミングはしない方がいいレベルです。

曇り時々雪の撮影
距離8m/10:00/少し明るめの撮影条件です。
ノートリ写真
構図と背景を工夫すれば、野鳥ポートレートとしてもそのまま使えそうだし、画質は悪くないです。

ISO 100, 400mm, 0.3 ev, ƒ/5.6, 1/250, 全画素超解像ズーム
拡大写真
かなり、トリミングしても使える画質ですが、解像度や鮮明さをセールスポイントにするのはムリですね。


曇りの日の撮影
距離15m/8:00/かなり暗い条件での撮影です。
ノートリ写真
構図と背景を工夫すれば、風景写真として成立する大きさには写りますね。

ISO 800, 400mm, -0.3 ev, ƒ/5.6, 1/125
拡大写真
羽毛以前に野鳥の画質が最悪なので、トリミングはムリです。

この条件では、ノートリで使う前提で撮らないといかんね。

Instagram投稿写真
シメのどこに魅力を感じるか?ですが、今回、僕はシメのオッサン臭い可愛さに目が行きました。
大きくて人相の悪い顔と、メタボなお腹です。
これらの魅力を最大限にアピールできなそうな写真をチョイスしてInstagramに投稿してみました。
トリミングもやや控えめです。
まとめ
以上、まとめると
シメを8mくらいの距離で撮影できれば、
- ノートリでも、構図と背景を工夫すれば十分な大きさに写る
- 野鳥部分を拡大した場合、羽毛は完全に解像しないが、そこそこの画質は確保できる。
- 天気は良い方が解像感も良かったが、羽毛が解像するレベルにはならなかった。
つまり、ムリに接近して撮るよりも、構図と背景を工夫して、一枚の絵として成立するような写真を撮るようにするのが現実的かもしれませんね。

では
最近になって近くで撮れるようになって、自分の中で納得のいく写真がやっと撮れたので記事にしてみたよ。
でも、完全に羽毛が解像したわけではないけどね。