ボーカロイドカバー曲「TSUNAMI」の初音ミクV2・マクネナナ・巡音ルカの調声方法について書いておきます。
今回行った調声
- VOCALOIDエディターによる調声
- DAW(Logic X)による調声
VOCALOIDエディターによる調声
1.初音ミクV2
VOCALOID2エディターを使用です。ほぼベタ打ちです。子音分割すらほとんどしていません。
この後、DAWでも調声しましたが、滑舌もさほど悪くなく、舌足らずさが適度に残ってミクらしい良い感じになっていました。
2.マクネナナV3
VOCALOID editor for Cubase NEO(ボカキュー)を使用。
こちらはベタ打ちだと、ボカロっぽさが強く出て、もろロボ声になってしまう傾向がありました。
そのため、ベタ打ちの状態を何回もループ再生しながら違和感のあるところを主に子音分割で調声していきました。ダイナミクスによる調声はあまりしていません。
【参考記事】:【初音ミク】自然に歌わせる調教方法の一例【栞のテーマ】2014.6.18
3.巡音ルカV2
VOCALOID2エディターを使用
(1)ジェンダー(GEN)
50まで落として、声を明るめにしましたが、やり過ぎたかもしれません。せめて、コーラストラックはジェンダーをもう少し上げるべきでした。弊害としてコーラスが耳に優しくなくなってしまいました。
(2)子音分割
徹底的にやりました(参考記事参照)が、やり過ぎたかもしれません。お陰で一部の子音が聞こえにくくなっています。とくにルカの場合は、「もー」が「むうー」に聴こえるために、ここは全部子音分割で「ん」「も」「う」にしました。「ん」と「も」は1/64音符です。
【参考記事】:【初音ミク】自然に歌わせる調教方法の一例【栞のテーマ】2014.6.18
(3)ダイナミクス(DYN)
音量レベルがデフォルトではミクに比べて小さいので、ダイナミクスをMaxまで上げています。しかし、これもやり過ぎた感があります。ほどほどにすべきでした。
(4)スタッカート気味な発音
ルカの場合は、デフォルトで発音がスタッカート気味で不自然に聴こえます。そのため、今回はボカロエディターのデフォルト歌唱スタイルでディケイとアクセントを下の図のように設定しました。

DAW(Logic X)による調声
このカバー曲のオケは以前にLogicで作ってあったので、ミックス等はLogicでやりました。
1.初音ミクV2
(1)ノーマライズ
ボカロエディターから出力したwavの音量が小さかったので、ノーマライズをかけました。
(2)ボーカルエフェクト
ボーカルエフェクトはLogic付属のボーカルエフェクトのプリセット群「Female Ambient Lead Vocal」をデフォルトのまま使っています。これを使うとボカロベタ打ち状態でも、それなりに聴こえるようになるから不思議です。
Female Ambient Lead Vocalの選択画面

ボーカルトラックのインサートエフェクト群

それぞれのデフォルト設定値は以下のとおり
EQ
Compressor
Limiter
Ensemble
Space Designer(リバーブ)
(3)Flex Pitchによる各ノートのピッチとボリューム調整
これで不自然な箇所を修正していくと、かなり聴きやすくなります。今回は聞いて特に違和感のあるところだけ修正しましたので、変更箇所は少なめです。やり方は簡単です。マウスでノートの一部を掴んで上下するだけです。操作方法は参考記事をご参照下さい。
【参考記事】:初音ミクのピッチ調整(2)Logic XのFlex Pitch
2.巡音ルカとマクネナナ
EQだけミクV2と違う設定にしました。声に透明感を出したかったので、以下のプリセット(Clear Vocals)を選択しました。他はミクV2の場合と同じです。
