【初音ミク】自然に歌わせる調教方法の一例【栞のテーマ】2014.6.18




ボーカロイドカバー曲「栞のテーマ」で使った初音ミクV3の調整方法について書いておきます。

現在では、初音ミクもV4Xと進化して基本性能も格段にアップしているので、ここまで細かい調声は必要ないかもしれません。

しかし、従来の方法でうまくいかない時の対策の1つとして参考にしていただけると嬉しく思います。

 

音源

ニコ動

 

YouTube

 

概要

この記事ではボーカロイドエディターとDAW(Cubase)での調声方法について説明します。

1. VOCALOID Editor for Cubase NEO(ボカキュー)での調声方法

(1)発音の悪い箇所の調声

(2)ダイナミクスによる音量レベルの調整

2.Cubase 7.5での調声方法

 

VOCALOID Editor for Cubase NEOでの調声方法

1.発音の悪い箇所の調声

基本的に滑舌の悪い箇所や耳に刺さる発音のところだけを調声しました。あとはベタ打ちです(下の図参照)。

調声の方法は以前に書いたとおりですが、一応まとめておきます。

  1. 子音の長さを1/64音符の長さにする
  2. な行・ま行・ら行の子音の直前に1/64音符で「ん」を入れる
  3. ら行の子音の場合には、直前に1/64音符で「空白」を入れると改善されることもある
  4. その他不自然に感じた箇所は、直前に1/64音符で「空白」を入れると改善されることが多い
  5. 「わ」の直前に1/64音符で「う」を入れる
  6. 耳に刺さるような子音は、子音を1/64音符くらいに短くすると改善される場合がある
  7. 耳に刺さるような子音は、そのベロシティー値を上げると改善されることがある
  8. それでもダメなら、ダイナミクスで音量のレベルを下げる
  9. *子音の滑舌はベロシティー値の調整で改善されるケースはほとんどありませんでした

参考例として、同曲でのマクネナナの調教方法についても触れておきます。マクネナナの場合は、ミクとは調声方法が少しちがいます。違いは下記3点です。

  1. た行の滑舌が悪いことが多々あるので、その場合は子音分割をする。
  2. ら行が巻き舌っぽく発音されるので、直前に1/64音符で「空白」を入れる。
  3. 「わ」の直前に1/64音符で「う」を入れると発音が悪くなるので注意する。

 

2.ダイナミクスによる音量レベルの調整

CubaseなどのDAWでボーカルトラックやマスタートラックにコンプレッサーをかけることが多いと思いますが、その結果、不自然に声の音量が圧縮されてしまうことが結構ありました。例えば、サビの部分のボーカルの音量が他よりも低くなってしまうなど…

その対策として、DAWのオートメーションで音量レベルを書いても良いのですが、今回ボーカロイドエディターのダイナミクス調整を試してみました(下の図をご参照下さい)。

結果、コンプを浅めにかければ、なかなか良い感じになってくれました。

今回試したダイナミクス調整は次のとおりです。

  1. 全体的にダイナミクス値を上げる:メインボーカルトラック(Miku Original)のダイナミクスの基準値を100に上げました(初期値は64)。コーラストラック(Miku soft)は初期値のままです。
  2. 歌い出しはの箇所はダイナミクス値を一時的に上げる
  3. サビの箇所のダイナミクス値を110に上げる
  4. 他、音量を下げておきたい箇所は予め下げておく

図. VOCALOIDエディターのダイナミクス調整の一例

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Cubase 7.5での調声方法

1.使ったエフェクトの一覧

(1)各ボーカルトラック

  1. DeEsser
  2. Tube Compressor
  3. Studio EQ

 

(2)各ボーカルのグループトラック*

*各ボーカルトラックはここを一度通るように設定してありますので、ボーカルトラックの管理が一括でできます。

  • Compressor

 

(3)Fxトラック(センドエフェクト)

  1. Fxトラック1:PingPongDelayとRoomWorks SE(リバーブ)
  2. Fxトラック2:Stereo Deley

 

(4)マスタートラック

1)Maximizer
2)UV22HR

2.各ボーカルトラックに挿したエフェクトの設定

  1. DeEsser(デフォルトのまま)
  2. Tube Compressor(AM female Vocal1: プリセットをそのまま使用)
  3. Studio EQ(Lead Vocal female: プリセットをそのまま使用)

 

3.ボーカルのグループトラック

(1)Compressor

設定をいろいろ聴きながら試しましたが、かなり浅めにかけることにしました(下の図を参照)。コンプの意味がなかったかもです。

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4.センドエフェクト

ディレイはうっすらと、リバーブはプリセットそのままの使用です。Stereo Deleyのセンド量は-22.6であとは0(全量)です(下の図を参照)。

  1. Fxトラック1:PingPongDelayとRoomWorks SE(リバーブ)
  2. Fxトラック2:Stereo Deley

 

18 00

 

5.マスタートラックのエフェクト

(1)Maximizer

デフォルトそのままの使用ですので、音圧がアップしているのか微妙です。聴いた感じだとすこし効果があったようです。この段階で、音圧レベルメータのRMS最大値は−9.0でしたの良しとしました。これ以上に音圧をUPすることも試しましたが、聴いた感じあまり良くなかったです。

参考記事へのリンク:Cubaseの音圧のモニタリング方法

 

(2)UV22HR

これについては別記事でご紹介したいと思いますが、オーディオミックスダウン後のwavファイルを再生すると盛大にノイズが入るトラブルが発生していろいろ試した結果、これをマスタートラックに挿して、outbitを24ビットに設定したら解決できました。

参考記事へのリンク:【Cubase7.5のトラブルシューティング】オーディオミックスダウン後のノイズ

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さいごに

初音ミクV3に調声方法について書いてみました。この曲は僕がボーカロイドカバー曲を作っていた初期のものですが、ボカロ調教用の参考書のとおりにしても解決できなかった部分について言及したものです。

現在では、初音ミクもV4Xと進化して基本性能も格段にアップしているので、ここまで細かい調声は必要ないかもしれません。

しかし、従来の方法でうまくいかない時の対策の1つとして参考にしていただけると嬉しく思います。

では

 



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sim

動物写真家、ブロガーとして活動中。 属性は他に、博士(農学)、DTMer,ツーリングライダー歴30年。 【問い合わせ】Twitterアカウント宛にDM 願います。 【注意】野鳥の撮影場所についてのご質問はご遠慮願います。