【作曲の教科書】初心者が2週間で作曲できるようになる 「作曲少女」がイチオシだよ

sim(@ssiR01)です。

作曲してみたいけど、何をすればいいかサッパリわからないよ!」って、初心者なら最初に思うはず。

かくいうボクもそうでした。

そんな人に全力でオススメしたい本が、仰木日向さんが書いた『作曲少女~平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話~』です。

ライトノベル風に書かれた本なので、熟読しても1日で余裕で読めるわかりやすさ。

この本には、音楽知識ゼロの人が音楽理論書を一切使わずに作曲できるようになるノウハウが書かれています。

著者の仰木さんは、「音楽理論は作曲できるようになってからじゃないと役に立たない」と以前からTwitterで主張してしていました。

で、「それって、どういうことなんだろう?」って疑問に思ってたのですが、その答えがこの本の中に書かれています。

ボクも音楽を趣味で始めた4年前にこの本と出会っていれば、きっとムダな努力をせずに済んだことでしょう!

 

この本の概要

作曲をはじめてみたいけど、どうすればいいのが分からずに困っている女子高生の「山波いろは」に、プロ作曲家のスーパー女子高生「黒白珠美」が14日間で作曲できるようにレクチャーしていくお話です。

この本では実際に作曲初心者がぶつかる壁について実にリアルに描かれおり、それをクリアして最初の1曲が作れるようになるためのノウハウが非常にシンプルに書かれています。

この本の一番の売りは、曲作りのもっとも大切な点として「作る曲のコンセプトを最初にじっくりと決める行程」が書かれている点です。

技術的には「耳コピ」と「キーの話」が出てくるのみで非常にシンプルです。

なので、つまずく人はまずいないかと。

キーの説明は図解入りなので分かりやすいですよ。あと、地味にうれしかったのが、超初心者向けに耳コピの技法が書かれている点ですね。

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作曲の流れ

この本で作曲未経験者の女子高生「いろは」がたどった道をご紹介しましょう。行程も短く、実にシンプルなのです。

ざっくりとこんな感じです。

  1. 制作机を自分の好きなもので埋め尽くす
  2. 音楽理論って必要なのか?
  3. 曲の聴き方ー音楽と映画は似ているって話
  4. 第一関門『耳コピ』の話
  5. 第二関門『キー』の話
  6. メロディラインと構成の話
  7. テクスチャの話
  8. 作曲の仕方(自分の頭で考えて一曲つくってみる)

以下、上の見出しに沿って、ボクがこの本に書かれている内容を再現するためにまとめた防備録です。

 

制作机を自分の好きなもので埋め尽くす

最初は「なんの意味があるんだ?」って思いましたが、先生役の珠美の説明を聞いて納得です。

作曲は、『今まで自分が感動してきた体験や記憶、空間や時間を、自分なりの形で音楽として再現する』っていうことなんだ。

「制作机は聖域だ。自分が感動してきたものを再現する工房、それが制作机

その周りには、今まで自分が感動してきたあらゆるものを置く。…中略。

そして、その真ん中に、鍵盤とパソコンや、音楽機材。

その机に向かいあうたびに、あるいはたまにでも思い出すようにする。

『自分が何に感動してきて、これから何を作るのか』

これは音楽に限った話ではないけどね。…、ほとんどの作家がやっていることだったりする。…

 

音楽理論って作曲に必要なのか?

最初の一曲をつくる段階では音楽理論は必要ないって話です。

珠美は作曲を言語学習に例えて、こんな風に語っています。

「…音楽を身に付けていく順序を整頓するとこうだ。

『ちょっとした日常会話ができるようになる』→『ちゃんとした文法で喋るようになる』→『おもしろいジョークで人を笑わせられるようになる』

いわゆる理論書が必要になるのは、そのちゃんとした文法を身につけるってタイミングなんだよ。だから最初の一曲を仕上げるっていう日常会話の段階では、まだ必要ないんだ」

つまり、初心者にとって、理論書はGo To Hell!ということなんです。

 

曲の聴き方ー音楽と映画は似ているって話

珠美は音楽を次のように映画に例えています。つまりは、作曲って映画監督みたいだって話です。この例えですごく、曲の構成がイメージしやすくなりました。

  • 主人公→メロディ
  • セリフ→歌詞
  • 敵役→ベース
  • 脇役→ハーモニー
  • 世界観→リズム

それぞれについても、解説がすごくわかりすいです。

1.ベース

ベースはメロディの次に大事だ。…中略。たとえば、メロディは普通の青年で、ベースは敵役でマフィアのボスで超ヤバイ奴。この時点でもう映画の雰囲気って大体決まるだろ?

じゃあもうひとつ別のパターン。メロディは同じ青年で、ベースは恋敵の親友。ほら、ストーリー自体が全然違う話になるだろ?

2.ハーモニー

そしてハーモニーは脇役だ。マフィアのボスがベースなら、それに合わせてハーモニーも悪そうな感じになるし、恋敵の親友がベースなら、学校のクラスメートや部活の友達とかがハーモニーになる。

主人公と敵役の間を取り持ったり、説得したり、たまに見方になったり敵になったり、そういうことをしながらバランスを調整する、そういう立場がハーモニー

3.リズム

しっとり感動系なのか、それとも激しいアクション系なのか、ノリノリのコメディーなのか、怪しげなホラーなのか。

ジャンルや全体の世界観を決めるのがリズムの仕事だ

以上のことを踏まえた上で、珠美はこうまとめています。

ひとつの曲を書くっていうのは、小さいサイズの映画をひとつ作るみたいな感じだと思えばいい

 

作曲の第一関門『耳コピ』の話

いよいよ、実技編です。この『耳コピ』が1つ目の関門になります。音楽ソフトDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を使って、耳コピしていく行程です。

手順とコツはざっくりとこんな感じでした。「これならボクもやってみようかな」って気持ちになれましたね。説明がとても丁寧でした。

  1. 音楽ソフトに耳コピする曲を読み込む
  2. 曲のテンポ(BPM:ビート・パー・ミニッツ)を決める
  3. 一番目立つメロディーから耳コピをはじめる
  4. ベースの耳コピ。聴き取りにくければ、再生速度を落として、イコライザーで低音の音量を大きくする。
  5. 耳コピ最大の難関『和音の耳コピ』。これさえ超えればほんとんどゴール。コツはメロディとベースが鳴らしている2和音に1〜2個の和音を加えるようなイメージ
  6. 最後にドラムの耳コピ。一番簡単。とりあえずは、バスドラムとスネアドラムとハイハットだけでOK。

 

作曲の第二関門『キー』の話

カラオケのキーの概念といっしょです。ドレミファソラシドの黒鍵を入れた12鍵それぞれから始まるドレミファソラシドがあるっていう話が図解付きでわかりやすく説明されています。

その『キー』の意味するところなんだけど、珠美の説明がわかりやすいので引用しておきます。

キーにはね、明確に『色』があるんだ。キーが変わると明確に聴覚イメージも変わる。その差は服の色のコーディネートに近い。

そして、曲のキーは黒鍵である程度判断できることと、曲のキーと合ってさえいれば、わりと適当に弾いても大丈夫というか、間違わないという法則は正直オドロキでした。

本書では毎日、全部のキーを鍵盤で弾いて体で覚えるように書かれていました。

表を見なくても全パターン弾けるようになったら最高だ。筋トレ気分で意味なんか考えずに弾いててもいい。手癖で体が覚えてると。理屈ではなく感覚で音楽が扱えるようになるからな

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メロディラインと構成の作り方

メロディーの作り方です。で、『作曲入門者向けのとっておきの技』が珠美から伝授されます。その技も極めてシンプル。

その方法は次のとおり。

  1. 音楽ソフトで、耳コピした曲のメロディーだけを消す(カラオケみたいな状態にする)
  2. そのカラオケに自分のオリジナルのメロディーを入れていく(曲のキーにあわせる。余裕があればAメロ、Bメロ、Cサビなどの曲の構成を意識して、落ち着いたスタートから、サビに向かって盛り上がって、サビをを歌い上げるみたいな感じにしてみる)
  3. 気持よく聴こえるようにするために、ベースやハーモニーもいじってみる(音を外さないように和音を意識する)

この方法のコンセプトについて珠美のコメントがわかりやすいので引用しておきます。

このカラオケ型メロディ作曲は、言ってみれば補助輪付き自転車みたいなもんだ。まずはベースとハーモニーのガイドラインを使って曲を仕上げてみる。そして、メロディーの作り方に慣れたら補助輪を取ってベースもハーモニーも自分でつける。その段階が作曲をができるようになったっていうラインだ。

この方法を「パクリじゃない?」と指摘するいろはに対しての珠美のコメントがあらゆる創作を目指す人に向けた金言だと思うので引用しておきますね。

どんな創作だってそうだ。漫画を上手に描けるようになりたい人は、とにかく好きな漫画家の絵を一生懸命真似する。…..好きなものは何でも手当たり次第に真似をする。そういうプロセスを踏んでみんな、一人前になっていくんだ。音楽だってそう。好きな音楽があったら、まずそれを真似る!分析して反復して体に覚えさせる、そして作れるようになっていく!…..

 

テクスチャという便利な作曲法

「オリジナルのメロディに、ベースとハーモニーをどうやってつけるか」っていう話です。珠美からは音楽理論書には書かれていない『テクスチャ』っていう秘技が伝授されます。

概要はこうです。

  1. オリジナルのメロディーを用意する
  2. 自分が望む雰囲気の既存曲のベースを耳コピする
  3. テンポをベースに、キーをベースかメロディのどちらかに合わせる
  4. 曲の長さにあわせて、ベースをAメロ・Bメロ・Cサビに対応する部分にズラして調整する

この便利な方法についての珠美のコメントがまた興味深いのです。

このやり方が続くのは、せいぜい3回くらいなもんだよ。理由はひとつ。バランスがある程度わかったらね、『もう自分で作りたくなっちゃうん』んだよ

でも、テクスチャは作編曲のプロになる上で必須のテクニックであると締めくくっています。

あともうひとつ言うとね、この技、別の曲のベースを貼り付けるっていうテクスチャーという技は、大なり小なりプロもよく使ってるものだったりする。…..音楽のプロって言っても世界中の音楽をわかっているわけじゃない。だから、依頼された種類の音楽について詳しくないなんてことも結構ある。そういう時に、このテクスチャーという技を使って、雰囲気を借りてくるんだ。メロディーはもちろんオリジナルでね。そうすると依頼された通りの雰囲気のある、でも自分のオリジナル曲っていうものを用意することができる

 

自力で作曲する方法まとめ

最後の行程はこれ。実際に自分の頭で考えて一曲をつくる行程です。

手順は次のとおり。今までやってきた行程を実際にやってみるってことです。

  1. 自分が感動したものを思い出して、それをもとに「作る曲のコンセプト」を決めてメモる。
  2. Aメロ・Bメロ・Cサビなどの曲の構成に合わせて、そのストーリーを考えてメモる。
  3. メモを見ながら、コンセプトから外れないようにメロディーを作っていく
  4. 秘技テクスチャで、コンセプトにあった雰囲気のベースをつける
  5. キーを外さないように、ハーモニーをつける
  6. リズムをつける(音楽ソフトに搭載されているドラムパターンを貼り付けて加工してみる)

とくにこの中では、1と2が曲のアイデアにあたる部分で、珠美は「作曲ってあたしの中ではもうここまで終わりに近い」と言っているくらいに大事な行程です。

あと、3では、「メロディーは一気につくってしまわなければダメ」と書いてあったのも印象的でした。時間をかければいいってもんじゃないんですね。

 

さいごに

このレビューは、本書に書かれていた作曲の方法論について要点のみを紹介したものです。本書には、いろはと珠美の体験を通してさらに詳細に分かりやすく、読者が共感できるように書かれています。

繰り返しになりますが、作曲のみならず創作全般にも参考なるようなフレーズがたくさん含まれていて、心を揺さぶられました。

このレビューを書いている段階で2回ほど熟読しましたが、これから作曲にチャレンジするにあたり何度も読み返すことになりそうです。

モチロン、ラノベとして読んでも十分におもしろいです。

お値段は1728円とちょっと高めですが、値段以上の価値があることは保証いたしますよ!

ABOUTこの記事をかいた人

sim(清水了)

動物写真家、ブロガーとして活動中。
属性は他に、博士(農学)、DTMer,ツーリングライダー歴30年。
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