sim(@ssiR01)です。
Apple純正のDAW Logic Pro X 10.2に実装された新しいシンセサイザーAlchemy(アルケミー)についての解説シリーズです。教本はクリエイターが教えるシンセサイザー・テクニック99 (CD付き)を使ってます。
今回はフィルターをエンベロープ・ジェネレーター(EG)でモジュレーション(音を変化させる)する方法を実践してみますよ。
例えると、通過させる音の周波数を調節するフィルターを開け閉めして音を変化させる方法です。
つくる音はこんな感じになります。
フィルターというのは、音の周波数を削ることができるシンセサイザーのユニットで、今回いじるのはその中でも代表的なカットオフというツマミです。
エンベロープ・ジェネレーターというのは、音をアタック・ディケイ・サステイン・リリースという設定項目で調節する機能です。前回の解説では音量変化でしたが、今回はフィルター(周波数)を変化させます。
ざっくり図にしてみると、こんな感じになります。

一般的にアコースティック楽器では、アタック部分に倍音が多いので、フィルターは最初は開いていて徐々に閉じていくようなイメージです。
ただし、シンセサイザーの場合には、それに従わなければならないことも無いようです。
では実際にやってみましょう!
Contents
設定方法
操作は簡単で次の4ステップのみです。
- オシレーターで音の波形を選ぶ
- フィルターの種類を選ぶ
- フィルターに(今回はカットオフ)にAHDSR(エンベロープ・ジェネレーター)のモジュレーションを追加する
- 新しく作ったAHDERの形を好みになるようにマウスで変形させる
図解つきで説明すると下のようになります。
(1)オシレーターで音の波形を選ぶ。今回SAWは(ノコギリ波)にします。

(2)フィルターの種類を選ぶ。今回はローパスフィルター(LP)にします。

(3)フィルター部分のカットオフ(CutOff)つまみをマウス右クリック。add Modulation > AHDSR Env > New SHDSRをクリック。

(4)新しく作ったAHDSRの線形(カーブ)を好みの形にします。方法は線形をマウスで掴んで上下左右させるか、Attack, Hold, Decay, Sustain, Releaseの各ツマミで回して形を変えるだけです。

注意事項としては、AHDSRの設定画面は、他のモジュレーションを組むときと同じように、モジュレーションをかけるツマミ(この場合はCutOff)をワンクリックすると表示されます。ときどき、 別のものが表示されているときがあるのでご注意を!
この設定でつくった音はこんな感じになります。ビョーンって聴こえるますね。つまり最初に倍音多め、徐々に倍音が少なって消えていく音です。
設定するパラメーター
設定すべき項目を箇条書きにすると…
…と、こんなところでしょうか。
さいごに
今回ご紹介したフィルター・エンベロープは、カットする音の周波数を時間で変化させる方法でした。
Alchemyの場合には、モジュレーションさせたいツマミのマウス右クリックだけで設定ができます。直感的でわかりやすいですよね。いじり倒すといろんな音が作れそうです。
では